メイン

BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW #01 Constitution Day (2011)


BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW #01 Constitution Day
TARO YASUNO/5'00"/digital/2011
(神奈川)白楽 東神奈川 (東京)代官山 /2011年5月3日(憲法記念日)
CAMERA: CANON ivis HV30


この作品は、ある一日を撮影/前日に声を録音/明くる日に声を録音
指示書をもとに制作するインプロヴァイズド・シネマ(即興映画)
を様々な映像作家が制作するweb上のオムニバスムービープロジェクトで、
僕は音楽家なのですが、お声が掛かって参加しました。

こちらが、そのプロジェクトのURLです。solchordというDVDレーベルが主催しています。
http://solchord.tumblr.com/

もとになる指示書:http://www.iamas.ac.jp/~maeda/BYT_instructionsheet.html

mixi上でみると映像荒いので、youtubeでHDモードで見て欲しいです。
もしくは、solchordのURLから。他の作家の皆さんは映像作家なだけあって、
圧倒的に僕なんかの映像と比べると映像そのものが美しいです。

HDモードURL:http://youtu.be/ALR2U1vesoI?hd=1

<ここから先は一度本編を見てから読んでください>

僕はこの作品を5月3日の憲法記念日に撮影しました。
白楽のサリサリというカレー屋と、東神奈川の海側、そして代官山UNITでUNITEDという日本のスラッシュメタルバンドのレコ発ライブに行きました。

なんの脈絡の無く、それぞれの場所には何の繋がりもないと思われた一日なんですが、いざ当日を迎えるとゾワッと来るぐらいそれらのバラバラなことが繋がっていた一日でした。一回見てその繋がりが分かったら凄すぎと思うんで、教えてください。

サリサリというカレー屋には、平和ボケのボーカルの妹、新美日向子さんと行きました。店のテレビからは、昼のワイドショーか何かでビンラディン殺害の特集が流れていました。ここのカレーはパキスタンのカレーで、このカレーは、ビンラディンが殺害された地域の家庭の味で、アルカイダもビンラディンも同じものを食べてるはずだと店主が言っていました。サリサリに行こうと決めたのは、5月1日で、ビンラディン殺害前です。2日が殺害当日で、3日の撮影当日は、お店に入ってニュースを聴くまで、そのことは忘れていましたが、店主の言葉でハッとしました。前日に声を録音したときもニュースのことは忘れていました。

サリサリのカレーを堪能した後は、バスに乗って東神奈川まで行きました。停留所二つ分だったので、歩いてもいける距離でしたが、停留所のぞいたらバスが止まってしまったので乗ってしまいました。東神奈川はほとんど何もないようなところなのですが、去年横浜に住んでいたときによくバイクでブラブラしていたのですが、ここらへんに浦島町や、亀住町など、浦島太郎にゆかりのありそうな地名があったような覚えがあって、海側(おそらく埋立地で、大昔は海だったはず)に行って竜宮城を探してみる散歩をしました。さっき地図で確認したら、この日行った場所は浦島町でも亀住町でもなかったのですが、亀のマークの入った外灯があったり、ところどころ亀を意識させるものがありました。寿町でもないのに、何故か三軒だけドヤの建物がありました(カメ虐めの末裔?)。竜宮橋という橋もみつけました。そこからは意味深な城壁っぽいものを発見したり、さらに歩くと倉庫とかしかない場所に急に現れたオシャレなバー。こ、これは浦島太郎が飲めや歌えの大騒ぎをした場所なんじゃないか!とゾクゾクしました。その直ぐ側には米軍の港があって、撮影を注意されました。なんとなくさっきのビンラディンを思い出し、浦島太郎の亀の存在と被りだして、またゾクゾクしました。後からこの即興映画プロジェクトの発起人である、前田真二郎さんから、玉手箱(原発)から煙が出て、今までうまくいってた夢から覚めて老いる太郎(日本人)というまさに今日本で起きていることとマッチする浦島解釈を聞いたときは戦慄しました。

竜宮城を探す散歩の後は、場所を変えて代官山のUNITというライブハウスに行きました。ユナイテッドという古くから活動している日本のスラッシュメタルバンドのレコ発ライブに行くためです。いざライブがはじまったら、ボーカルが外国人に変わっていたので、びっくりしました。何人のボーカルなのかなと思ったら、クウェート人で、9歳の時に湾岸戦争を体験したといいます。そして、普段は封印しているトラウマである、その時の話を特別にMCしていました。ここでも、なんかこの日の一連の流れとなんとなく繋がっています。しかも、ボーカルは坊主頭で、それも亀の頭と遠まわしに掛かっていて、ミラクルです。

こんな感じで、5月3日の憲法記念日に行った色んな場所とそこで起こった出来事が思いもよらなかった形で繋がっていきました。

こんなミラクルを起こしたのは、指示書を元に制作したからかどうかは分かりませんが、この制作手法には何かあると感じています。

ある一定の規則の元に(この映像では指示書)身体を置くということは、僕が音楽でもわりとずっとやっていることですが、このようなミラクルが起こることがままあります。
こういうことはなんて説明したらいいのかうまい言葉が見当たりません。
指示書があることによって、撮影当日がただ撮影しにいくという感覚とは違ったある種の緊張状態というか、普段とは違う感覚に自分が置かれていたということは確かです。

もちろん人間は身の回りのことを一連の関係性があることのように解釈してしまう生き物であることは確かだと思います。そうだとしても、ほとんど無意識的に行動してそこで見た様々なものがここまであらゆる関係性で繋がっていたという場面を連発させるとは思いませんでした。

コメント




保存しますか?